「弘法筆を選ばず」といいますが、初心者が上達するには、何においても道具選びが大事です。
書道筆の毛質には色々種類があるため、初心者にとっては、何を選んでよいのかが悩むところだと思います。
書道は線の芸術です。初心者はイタチ毛の硬くて茶色っぽい筆を使うのがベストです。ここでやわらかい毛の筆を選んでしまうと、初心者は筆の扱いに慣れていないために、まっすぐ線を引くことも難しくなります。
最初は半紙での練習から始めると考えられます。書道で使う筆のサイズは「号」で表示されてますが、半紙用としては3~6号くらいが適当なサイズになります。
毛質 | 特徴 | 備考 | |
---|---|---|---|
馬毛 | うま | 腰が強く硬め 初心者向き | 楷書向き |
イタチ・コリンスキー | まとまりがよく弾力あり 切れ味抜群 | 小筆・中筆用 | |
狸 | たぬき | 毛先のまとまりがよく弾力あり | 仮名筆 |
狐 | きつね | イタチによく似て弾力と切れ味に優れている | |
豚 | ぶた | 硬い毛質が特徴 | |
鹿 | しか | 硬く弾力に優れている | |
ムジナ | 狸・ハクビシン・アナグマの総称 弾力と腰がある毛質 | ||
貂 | てん | イタチ科の貂(てん)からとれる毛と他の毛を混ぜて作られた兼豪筆 | |
羊毛 | ようもう | 柔らかい 墨含みと耐久性に優れている 初心者には使いづらい | 篆書・隷書・草書 |
猫毛 | ねこげ | 柔らかく粘り 墨含みがよい | 仮名・実用書 |
兎 | うさぎ | 紫豪(しごう)とも呼ばれ 弾力性に優れている | 小筆用 |
ナイロン | 合成繊維 強度があり弾力に優れている | ||
竹 | 竹そのまま 荒々しく独特のかすれが得られる | 創作作品 |
書き出してみると、色々な毛質の書道筆があるものです。
初心者のうちは、イタチ毛。
草書・隷書・篆書を書くには、羊毛や兼豪筆。
小筆は、イタチ・コリンスキー。
これでいいかと思います。
大学生の時作品を書くのに、書道用品店で見栄をはって5万円の筆を購入したことがありますし、京都の東寺の近くのフリーマーケットで 3本2万円で販売されていた唐筆を購入したこともあります。(今から30年前に、唐筆は1本の金額がそんなにしません。1000円も払えばそこそこ良いものが変えた時代。3本2万円はありえないのですが その時は冷静な判断を欠いていてもったいないことをしてしまいました。)
今は、朱液で子ども達のお手本を書くのにナイロン毛の筆も使います。
呉竹から発売されていますし、筆も割れにくく、弾力性がありなかなかよいです。
目的が書道の上達であれば、ナイロン毛は少々邪道ですので、避けた方が無難と思われます。
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